乳酸菌の繁殖・死滅しやすい条件とは?

乳酸菌の繁殖・死滅しやすい条件とは?

 腸内フローラ改善に欠かせない乳酸菌

 

 乳酸菌は、もともと人間の体に存在しないので、食品などから摂取することで初めて人間の体内で活躍することができます。

 

 また、乳酸菌の寿命は3日〜1週間と短いのです。

 

 この貴重な乳酸菌のチカラを最大限に発揮させるには、体内に摂取した乳酸菌の数を増やしてあげることがとても効果的です。

 

 逆にいえば、せっかく摂取した乳酸菌を死滅させないように気を付けないといけません。

 

 これら乳酸菌が繁殖しやすい条件や、死滅しやすい条件についてまとめました。

 

 

腸活に役立つ乳酸菌の役割とは?

 

繁殖しやすい条件

 最初に述べたように、乳酸菌はもともと人間の体内に存在する菌ではありません。

 

 しかし、体に良い影響を与えてくれる菌なので、できるだけ繁殖させて効率的な腸内フローラ改善に役立てたいものです。

 

 乳酸菌も300を超える種類が見つかっており、その特徴もそれぞれ異なっています。

 

 また、菌の形によって「球菌(きゅうきん)」と呼ばれるものと「桿菌(かんきん)」と呼ばれるものに分類され、厳密には異なる性質を持っていますが、ここで紹介する乳酸菌繁殖等の条件は、一般的な条件と考えてください。

 

 では、乳酸菌が繁殖しやすい条件を見ていきましょう。

 

繁殖しやすい温度

 乳酸菌は温度に敏感な菌です。

 

 低温には強いが、高温には弱い菌です。

 

 低温の場合は、温度が下がると乳酸菌の動きが鈍くなっていき、温度が下がりすぎると活動を停止しますが、死滅することはありません。

 

 一方、高温の場合は、50〜60℃で乳酸菌は数分〜数十分で死滅し、さらに100℃を超えると数秒で死滅してしまいます。

 

 そして、最も乳酸菌が活発に活動しやすい温度が、25℃〜40℃であり、40℃に近いほうがより活発化します。

 

 40℃という温度は、人間の体内がちょうど良い温度であると言えます。

 

 また、一時的な低温環境下で活動を停止した乳酸菌も、人間の体内に摂取されることで活動を再開することができます。

 

 ヨーグルトが代表的な例で、通常0℃近い冷蔵庫で保管されていますが、食事として摂取すると、体内の温度環境のおかげで再び活躍することができます。

 

 逆に、味噌などに含まれている乳酸菌は、味噌汁や味噌炒めなど料理が一般的ですが、この場合は100℃近い温度まで加熱するため、やはり、この調理方法では乳酸菌は繁殖しやすい状況とは言えません。

 

 味噌から乳酸菌を摂取する場合などは、味噌和えなどの加熱しない料理にする必要があります。

 

 乳酸菌の効果を最大限に引き出すには、調理方法の温度に注意が必要です。

 

納豆菌を一緒に食べる

 納豆菌は、乳酸菌を爆発的に増殖させる必殺アイテムです。

 

 納豆菌は乳酸菌と異なり、生命力がかなり強いのです。そのため、腸内でも長期間生存するため、より効果的に活躍し続けることができます。

 

 また、納豆菌のもうひとつの優れた特徴に、納豆菌自身も繁殖力が強いのです。納豆菌自体が、胞子状に変化しとても安定した状態になるため、胃酸などにも強く死滅することはありません。

 

 しかし、細菌とは異なりますので、乳酸菌と同様に人間の体にもともと存在する菌ではなく、一活性の菌になるので、やはり効果を維持するためには継続的に摂取する必要があります。

 

 摂取量のお勧めは、1日に1パックの納豆が目安です。

 

 さらに、納豆菌自体にも整腸作用があり、毒となる活性酸素を分解したりすることで、善玉菌の働きを助けてくれるのです。

 

 納豆菌には腸内フローラを改善してくれる乳酸菌の数を10倍にもしてくれる効果もあるのです。

 

納豆を食べて腸内フローラを改善しよう!納豆菌のパワーが凄い!

 

オリゴ糖を一緒に食べる

 納豆菌と同様に乳酸菌の増殖を手助けしてくれるのが、オリゴ糖

 

 オリゴ糖は、ご存知の通り甘み成分が強いため、砂糖の代わりに使用することができます。

 

 そして、砂糖と異なるのがカロリーが砂糖の約半分!これはダイエット中の方にはとてもありがたいですね。

 

 腸内フローラを改善するために、ヨーグルトとオリゴ糖を混ぜて食べることで、より効果が期待できます。

 

 そして、オリゴ糖の最大の特徴は、

 消化液や胃酸などに強いため、しっかりと大腸まで達して、乳酸菌の栄養素となり繁殖を促進することです。

 

 なお、オリゴ糖は、消化性オリゴ糖難消化性オリゴ糖に大きく分類されます。

 

 腸内フローラ改善に効果が期待できるのは、難消化性オリゴ糖なので注意が必要です。

 

 詳しくはこちらのページを参考にしてください。
 ≫腸内フローラ改善に役立つオリゴ糖とその種類

 

死滅しやすい条件

 では、乳酸菌はどのような環境が苦手なのでしょう。

 

 苦手な環境をできるだけ避けることで、乳酸菌の効果をできるだけ発揮させることが重要です。

 

死滅しやすい温度

 乳酸菌には繁殖しやすい温度があるようにに、死滅しやすい温度もあります。

 

 繰り返しになりますが、乳酸菌は高温になればなるほど弱いのです。

 

 50〜60℃で乳酸菌は数分〜数十分で死滅、100℃を超えると数秒で死滅するのです。

 

 自然界では40℃以上になることはないので、生物としてはごもっともな話です。

 

 ここで問題なのは、乳酸菌を含む食材を加熱調理する場合です。

 

 味噌汁の例を示しましたが、乳酸菌を多く含む食材を料理する際には注意が必要です。

 

 キムチなどの漬物は、常温でも保存可能なものが多いですし、加熱して食べることもほとんどないので、あまり気にしなくてもいいのですが、普段から乳酸菌を含むい食材を意識して摂取している人は、調理方法には気を付けた方が良いいと思われます。

 

胃酸や胆汁に弱い

 乳酸菌の弱点には、高温の他に「胃酸」や「胆汁」に弱いことが挙げられます。

 

 乳酸菌は、もともと人間の体に存在する菌ではなく外来種なのです。

 

 人間の体としては、外来種を受け入れないという反応が起きてしまい、胃酸のみならず小腸に至っても乳酸菌には厳しい環境が続くのです。

 

 例えば小腸では強い殺菌力がある抗菌ペプチドが盛んに分泌されています。その他にも胆汁ラクトフェリンマクロファージなども腸管粘液の中に多く分泌され、生きている菌を捕まえて死滅させます。

 

 これは生命反応としては当たり前の反応で、外敵から身を守る作用が働くのです。

 

 乳酸菌も例外ではなく、この過酷な環境下の中で役割を果たそうと頑張っているのです。

 

 乳酸菌には善玉菌を元気にしてくれる働きがあるのですが、乳酸菌が死滅しやすい環境はできるだけ避けてあげるのが賢明です。ただ乳酸菌を摂取するだけではなく、乳酸菌が活躍しやすい環境を整えることも、腸内フローラ改善には重要なことと言えます。

 

 また、最近の技術で胃酸や胆汁から乳酸菌を守る事ができる、乳酸菌サプリメントを活用することも検討してみても良いかも知れませんね。

 

腸活!腸内フローラの効率的な改善法や乳酸菌サプリを紹介します!

 

死滅した乳酸菌の役割

 乳酸菌は腸内まで生きたまま届かないと、腸内フローラ改善に役立たないのでしょうか?

 答えは、乳酸菌は死滅してもなお、腸内フローラ改善に尽力しているのです。

 

 死滅した乳酸菌は、決して犬死ではなく、腸内の腐敗物や悪玉菌と結びついて便と一緒に体外へ排出しようとする働きがあるのです。

 

 腸内環境は、善玉菌と悪玉菌の絶対数ではなく、それらの割合が重要なのです。

 

 よって、善玉菌を増やすことと同じく、悪玉菌を減少させることも、非常に効果的な腸内フローラ改善なのです。

 

 また、腐敗物質である悪玉菌を体外へ排出することにより、腸内でのガス発生を抑制したり、下痢や便秘を改善したりする効果も期待できるのです。

 

このように

 死滅した乳酸菌は善玉菌を直接的に増殖させる効果はありませんが、悪玉菌の数を減少させる効果が期待できます。

 

乳酸菌の大分類

 乳酸菌の効率的な活用法として、繁殖しやすい環境等について述べてきましたが、乳酸菌には「動物性乳酸菌」と「植物性乳酸菌」に分類されます。

 

 効率的な腸内フローラ改善を目指すのであれば、それらの違いについてもしっかりと知識を持つことが大事です。

 

 動物性乳酸菌は、動物から摂取される乳酸菌で、代表的な食品ではヨーグルトが挙げられます。

 

乳酸菌たっぷりのヨーグルトを食べて腸内フローラを改善しよう!

 

 一方、植物性乳酸菌は、キムチ漬物などの発酵食品が代表的です。

 

 その他、最近では清涼飲料水やお菓子、サプリメントにも乳酸菌が含まれている商品が数多く販売されています。

 

乳酸菌をショコラで摂る新習慣!腸内フローラを改善しよう!

 

 乳酸菌の基本的な摂取方法は、やはり毎日の食事!

 

 この食事から乳酸菌を摂取する事を基本として、プラスアルファ乳酸菌サプリメントなどを活用すると良いのではないでしょうか。

 

 では、動物性乳酸菌と植物性乳酸菌の特徴を表示します。

 

 

植物性乳酸菌

動物性乳酸菌

原料

植物性の食品

乳製品など

腸内までしっかり届く?

届く!胃酸や胆汁に強い!

胃酸などに弱く多くが死滅

他の微生物と共存できる?

多くの微生物と共存可能

殆どの場合が単独

食塩の影響

食塩にも強く発酵食品に適している

塩分に弱い

 

 

 このように、胃酸などに強く腸内まで届きやすいのは、植物性乳酸菌であることが分かります

 

 よって、腸内フローラ改善のために乳酸菌を摂るのであれば、動物性乳酸菌よりも植物性乳酸菌の方が、より改善効果が期待できるのです

 

 これらの乳酸菌の知識を持つことで、より効果的な腸内フローラ改善を実行することができますが、最も大切なのは、生命に限りのある乳酸菌なので、継続して摂取することが大切なのです。

 

乳酸菌は動物性乳酸菌と植物性乳酸菌に分類される。それぞれの効果は?

 

まとめ

 善玉菌を元気にしてくれる乳酸菌には、温度などの環境によって、その活躍度合いが変わってきます。

 

 逆に、死滅しやすい温度があるので、乳酸菌を摂取する際には調理の方法などに注意が必要です。

 

 また、乳酸菌は死滅しても、腸内環境を整えるための働きを持っているので、死滅させないことにあまりこだわり過ぎる必要もありません。

 

 そして、乳酸菌の種類については、植物性乳酸菌の方が、動物性乳酸菌よりも優れている点が多いので、腸内フローラ改善を目標としている方は、意識的に摂取すべきであると思います。

 

 乳酸菌は限りある命なので、継続して摂取することが大事です。その中で、私たちができることは、乳酸菌が一番活躍できる環境を整えることで、腸内フローラ改善へつながると言えるでしょう。

 


 
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